絵描きの日常

絵描きの日常生活を晒すブログ。

仕事の話②

予想通り今月頭から仕事がメチャメチャ忙しい。

 

今月頭から昨日まで、

ひたすら十数名の作家さん達から上がってきたラフ画を

一人で黙々と調整しては先方へ投げるという作業を繰り返していました。

 

一人で。(誰か助けろ)

 

何とか山は越えたので、一先ず安心。

まぁ、来月も忙しくなる予定なんですけどね…(白目)

 

 

ところで、前回の記事「仕事の話」に

興味を持って下さった方が多かった事にビックリしています。

 

今はYouTubeなどのSNSで、

気軽に有名な絵描きさんからアドバイスが聞けるじゃないですか。

何なら具体的な描き方まで伝授してくれる人もいますよね。

だから、

名も知られていない自分の絵の話など誰も興味ないだろうと思っているので、

(だからブログ立ち上げ当初は絵の話はしないつもりでいた)

自分の話に興味を持ってくれる人がいる事にとても感激しています。

 

イラストレーターや漫画家のお話を聞く機会はあっても、

監督する側の話はあまり聞かないからかな…?

折角興味を持っていただけたので、

今後も出来るだけ絵の話題は積極的に上げていこうと思う。

 

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そういえば、

今月一人で黙々と仕事をしていて思った事があるんだよね。

最近の若い絵描きさん達は、

皆今時のオシャレなデザインのキャラクターを描くのがお上手だなぁ、と。

(流行についていけない私にとってはホント羨ましい。。)

が、その反面で物の立体・回り込み表現が苦手な人が多いな、とも。

 

私自身も物の立体表現を描写するのがとても苦手なので、

皆が苦手とするものは共通しているんだなーと思った訳です。

 

私もクリエイター時代に散々「立体感が無い!回り込みが弱い!」と言われた。

酷い時は遠回しに「クオリティが低い」と言われた事も(苦笑)

今では多少マシにはなったけれど、

周りがプロの集団なので、他者と比較すると

「あ、私はまだまだダメだな…」と思っちゃう。

今でも時々メッチャ落ち込む。

 

 

ところで、

さっきから言ってる「回り込み」ってなんやねん…!?と思った方、

下の図を見て欲しい。

 

①は単純に描いた花の絵。(花…?)

全体的に平たい。

 

②は植木鉢の部分に回り込み…つまりカーブを付けたもの。

これでこの植木鉢が円形である事がわかると同時に、

植木鉢部分に手前と奥という空間の存在を作る事ができる。

※勿論四角の植木鉢なら四角に見えるような回り込み描写が必要。

 

③は更に植木鉢の上と下の部分の境目に凹凸を付けたもの。

 ちょっとした段差を付けただけで立体感が生まれる。

 

 

なんだ、そんな事か…。

と思うかもしれなけど、

仕事慣れしていない作家さんには意外とこれが出来ていない人が多い。

私も今の仕事に就くまでイマイチ理解していなかった。

分かりそうなもので、

意外と描いている本人には分からないものなんだよね…こういうの。

 

 

あとパーツとパーツの位置がズレてる人も多い。

 

王冠を付けた女の子の絵。

左の絵は、顔は左を向いているのに王冠が正面を向いている。

これでは角度が合っていなくて何かモヤモヤする。

 

右の絵は、王冠の角度を顔の角度と合わせたもの。

たったこれだけで不自然さが改善される。

 

細かいな…と思うかもしれないけど、

絵を監督している側の人間はこういう所ばっか見てる。

だから、こういう細かい処理をしっかりやってくれる作家さんはとてもありがたい。

是非覚えておいて…欲しいな…(チラチラ)